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「ヨコハマ買い出し紀行」の舞台を巡ります。

アルファさんがヨコハマ方面に向かう際に使う道は?(前編)

 

ヨコハマ買い出し紀行(4) (アフタヌーンコミックス)

第0話でアルファさんは作品名どおり「ヨコハマに買い出し」に行きます。考えてみるとこの作品、12年間に渡り140話の連載を行ったにもかかわらず、ヨコハマに買い出しに行く描写がされるのは、なんとわずか4回。

なぜこの作品名にしたのか大いに疑問です(笑)

ただ、ヨコハマ目当てじゃなくとも度々アルファさんは北へ向かって三浦を抜け出します。そのルートを解明することで、ルート周辺の作中舞台を絞ることができると考えます。

ひとまず第0話ルートを検証してみましょう。

おじさんのガソリンスタンドを北上したアルファさん。道は標識から134号線であることが伺えます。しかし、突然水没した道路と鉢合わせしてしまいます。

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おじさんの「まっつぐは行けめぇ」の言葉通りとなったのでした。おそらく134号を北上し、逗葉新道から横浜へ向かおうとしてたアルファさんは、地図を取り出し代わりの道を摸索します。

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さて、ではこの場所はどこでしょうか。

ヒントは

  • 134号線を北上中
  • 小高い丘を越えた後に水没
  • 正面に「大楠山国交省レーダ雨量観測所」

というところでしょうか?

であれば下図の3つのポイントしかありません。

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 作中描写では、ガソリンスタンドを出発してほどなく水没地域に到達しているので、読み進めた感覚では①かと思えます。

しかし①は

  • アルファさん手持ちの地図でも既に広域に水没している。
  • 正面に大楠山がない。
  • 道路左側からせり出してくる和田の台地がない。

ことから、違うと考えます。では、③ではどうでしょうか?

③は道の両側が広く開けていること、左奥のコンクリート建造物は武山駐屯地のものと考えることができること等、有利な点もあります。

しかし、作中道の延長線上にある大楠山は③ですと道路左側になりますし、近すぎて遠望を望む形にはなりません。

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また、道路左手にはもっと多くのコンクリート建造物があってもいいと思うのですが、ありません。よって③も惜しいけれど違う気がします。

残された②は、

  • 道の両側が開けている。
  • 真正面に大楠山の「大楠山国交省レーダ雨量観測所」がある。
  • 左奥のコンクリート建造物は県営住宅とみられる。

と条件に合っています。特に「大楠山国交省レーダ雨量観測所」の位置具合は完璧です。

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 …ということで、アルファさんが足止めを食らった場所は②で間違いないと思うのですが、②は②で問題があります。

それは、①の初声町入江の水没地帯をどうやって回避してきたのか、です。

アルファさんの手持ちの地図でも、国土地理院の地図でも、初声町入江は広大な水没地帯です。②に来るにはここを迂回せねばなりません。

仮説ではありますが、初声町入江付近は標高こそ低いものの埋め立てられた広大な農地です。そこには貯水池もあれば水路も多くあります。農地であれば土地の水はけも良いはずです。更に高潮に対する危機意識が高い地域でもあり、対策をされていた可能性もあります。

 よって、初声町入江付近の標高7~10mの地域は水没せず湿地のようになっており、道路部分の通行は可能ではないかと考えます。アルファさんは道を選びつつ初声町入江を抜けて②まで到達したのではないでしょうか。

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さて、足止めを食らったアルファさんは、どの道を選んで横浜を目指すのでしょうか?手持ちの地図を指さす先はどうやら三崎街道(県道26号)を衣笠に向かうようですが…