アルファさんの三浦半島北上ルート
個人的イベントー!(トンネル横の坂道)の記事を書いていくうちに、先に説明が必要なことに気づいたので考察記事を書かせていただきました。
ここでは、アルファさんが三浦半島を北上する際にどのようなルートを通ったのか考えてみます。
作中よく「尾根道」という言葉が出てきますが、実は「尾根道」ばかりを選んでいる訳ではないようです。むしろ、それは海岸線が健在な現代と比較して「尾根道」が多いだけであって、朝比奈以南ではアルファさんはかなりの頻度で海岸線を移動しています。
アルファさんが三浦を離れる描写は以下の通りです。
第1話「ヨコハマ買い出し」
第89話「ココネ送り」
第12話「写真撮影」
第22話「個人的イベントー!」
第27話「ココネ送りⅡ」
第33話「ヨコハマ買い出しⅡ」
第64話「ちょっと長めの外歩き」
第111話「お客さんの来ない日」
第117話「長距離大荷物運びの練習」
第120話「きぬがさへ買い物」
第140話「ヨコハマ買い出しⅣ」
これらを比較すると三種類に分かれます。
- 水面を左手に見る。
- 水面を右手に見る。
- 水面の描写なし。
つまり海岸線の西側を通るか、東側を通るかです。上記の状況に当てはめると
- 西ルート:1,12,27、117話の4回
- 東ルート:8,33,111,140話の4回
- 不明:22,64,120話の3回
となります。
特筆すべきは第1話と第33話と第140話です。ヨコハマに買い出しに行く描写ですが、第1話のみ西ルートで、後は東ルートとなります。
この時代ヨコハマに買い出しに行くには、衣笠IC付近から朝比奈IC付近を経由する必要があります。
衣笠ICには県道214号経由県道26号から北上する西ルートが最短距離ですが、必ずしもそうしているわけではないようです。
なぜわざわざ遠回りの東ルートを選択する場合があるのでしょうか。おそらくそれは第140話のアルファさんのセリフに集約されます。
「できる限り海の近くを走ります」
この理由は明らかにされていませんが、僕はおそらく「治安」が理由の一つだと考えています。一切の犯罪の描写がないこの作品なので忘れがちですが、夕凪の時代は「宅配業者が護身のために銃を持ち歩いている物騒な世の中」なのです。
つまり人口減少が顕著な朝比奈以南の山あいの幹線道路では「追いはぎ」にあう可能性があるのかもしれません。県道26号線の現在の東漸寺付近は狭隘で南下する旅人を賊が待ち構えるにはうってつけです。
(現代の東漸寺付近)
おそらく第12話以降、治安の悪化からこの付近を一人で通ることを控えているのではないでしょうか。それでも第27話はココネと二人だったので最短距離を通ったのかもしれませんね。
…まぁ、射撃精度の高さからアルファさんはFCSを搭載していると考えられますし、人に聞こえないエンジン音も聞こえますし、見えない月も見えますし、数メートルの高さから落ちてもかすり傷なくらいは頑丈なので、賊の2~3人は問題なく対処しそうな気がしますが…
ターポンの許可を得て「保安モード」に入るアルファさんなんぞを見てみたい気もします^^;
140話の「できる限り海の近くを走ります」につきましては、子海石先生の「未来に連れて行って」の言葉に従って「旬のもの」の風景を「ちゃんと見て」るのではないかというご指摘をいただきました。確かにそのとおりでありますので、「治安」の話と関連付けるのは削除いたします。
ただ、何らかの理由により西ルートではなく東ルートを選ぶ場合があることは、作中描写から明らかだと考えております。(2021/8/12)