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「ヨコハマ買い出し紀行」の舞台を巡ります。

海面は何メートル上昇している?

ヨコハマ買い出し紀行(1) (アフタヌーンコミックス)

アルファさんがヨコハマへ行く際に持ってた地図(巻0話)には、すでに水没した地域が書き込まれているようです。初声入江から134号沿いに秋谷までを示したものですが…

  • 初声入江地区は水没している。
  • 長井の台地は三浦半島からほぼ切り離され島となる。
  • 自衛隊武山駐屯地はほぼ水没している。
  • 武へ向かう三崎街道の南側も一部水没している。
  • 長坂は134号から北側でも水没している。

以上を踏まえ「地理院地図」で再現してみました。

再現されたアルファさんの手持ち地図

作中とほぼ同じ地図を再現すると、着色部分(水没地域)は標高9m以下となりました。

地図上の海面上昇は8~9mと見て取れます。しかし、アルファさんは想定外の浸水域に鉢合わせしてしまったので、作中の地図よりも海面は上昇していたと思われます。

 本ブログでは、物語開始時の海面上昇は10mとして探索を行います。下図はその設定で再現された地図です。

  • 水色 標高 6~10m 水没の可能性がある
  • 紫  標高 3~6m  ほぼ水没
  • 青  標高 0~3m  水没

海面が10m上昇した地図

上図はあくまで標高をあらわしたものですから、「水色区域」は地形的要因や堤防及び盛土等で水没を回避している可能性もあります。

しかし、驚きなのが自衛隊武山駐屯地内の丘(標高23メートル)が、丸く島となっていることを作中地図で表現していることです。

時代は平成初期。まだ防災マップも充実していない時代に、どうやってこれほど水没地域を正確に把握できたのか…。

作者の芦奈野ひとし氏のリアリティへの追及には頭が下がります。